ぶどうの挿し木のやり方を解説!接木との違いや挿し木時期、成功のコツを解説
2024/7/30
ぶどうは日本全国で栽培ができ、生育も早くて収穫量も多いため、家庭菜園でも人気の果樹のひとつです。ぶどう栽培に慣れてきたら、株を増やしてもっと収穫できるようにしてみたくなるのではないのでしょうか。この記事では、ぶどうの挿し木のやり方や時期、接木との違いなどを解説します。
ぶどうは挿し木で増やすのがおすすめ

Photo by 高木菜園さん@GreenSnap
ぶどうを増やすには挿し木がかんたんで、成功率も高くおすすめです。挿し木とは、健康な株から枝を切りとって、その枝(挿し穂)を土に挿して増やす方法です。
挿し木のほかに「接木」という方法で増やすことができ、台木の性質を引き継いで致命的となる病害虫を防ぐことができるというメリットはありますが、手順がとても複雑で、専用の道具がないと成功率もとても低いため、家庭菜園ではあまりおすすめできません。
ぶどうの挿し木時期
ぶどうの挿し木は3〜4月が適期です。地中の温度が20℃以下にならない頃を目安に、過湿を避けるために晴れた日に行ってください。
また、ぶどうの挿し穂は11〜12月に採取しておくのが一般的です。採取した挿し穂は、ビニール袋で密閉して保存するか、新聞紙に包んで乾燥させないよう保存してください。このとき、水に濡らすとカビの原因となるので注意してください。11〜12月に挿し穂を採取できなかった場合は、挿し木の直前に枝をカットして挿し穂をつくりましょう。
ぶどうの挿し木方法

Photo by 知ちやんさん@GreenSnap
準備するもの
- ぶどうの挿し穂
- 市販の挿し木用土、またはピートモス1:鹿沼土1の配合土
- 発根促進剤
- 鉢、または苗床
挿し木の方法
- 11〜12月に健康的なぶどうの枝を長さ15〜25cmで切り取って、保存する。
- 3〜4月になったら、保存していた枝を24時間水につけて水分を吸わせる。
- 枯れている挿し穂と生きている挿し穂を選別する。
- 鉢や苗床に用土を入れ、水でよく濡らしておく。
- 枝の切り口に発根促進剤を塗る。
- 芽が上向きになるように土に挿して、土を軽くおさえて固める。
- たっぷりと水やりをして、灌水させる。
挿し穂を選別する方法は、吸水させたあとの断面を確認します。挿し穂の断面が茶色いままであれば枯れてしまっています。一方で断面が緑色になっていたら生きているので、こちらの挿し穂を使ってください。
ぶどうの挿し木をしたあとの管理方法
挿し木をしたあとは、乾燥や過湿に注意しながら屋外で管理します。挿し木から2〜4週間ほどで新しい芽が伸び、それから1〜2週間ほど経った頃に発根し始めます。挿し木してから2.5〜3ヶ月ほどで植え付けができます。
ぶどうの挿し木でよくある質問
ぶどうの挿し木に成功するコツは?
まず、挿し木で育った株は親株のクローンなので、親株が病気に弱いとその性質を引き継いでしまいます。また、斑がある枝や細い枝は弱っている可能性があるので挿し穂には向いていません。
次に、挿し穂をカットする際は、切れ味のよい清潔な刃物を使ってください。切れ味が悪いと切り口が潰れて生育に影響が出るほか、刃物が汚れていると病気の原因となります。
挿し木したぶどうに実がなるまで何年かかる?
品種にもよりますが、挿し木したぶどうに実がなるまで早くて3〜4年ほどかかります。挿し木した苗を植え付けたあとは、剪定と整枝を毎年必ず行うようにしましょう。
ぶどうの挿し木に挑戦しよう
ぶどうを家庭で増やすなら、挿し木がかんたんでおすすめです。挿し木をする際は、発根がうまくいかなかったときのために、複数本を同時に挿し木して育てておきましょう。ぜひこの記事を参考にぶどうの挿し木にチャレンジしてみてくださいね。