【さつまいもの病気一覧】よく聞く「基腐病」になるとどうなる?
2024/8/8
さつまいもが病気になる主な原因

Photo by たえぴさん@GreenSnap
さつまいもが病気になる原因のほとんどは、土壌中の糸状菌によるものです。糸状菌はいわゆるカビと呼ばれているもので、悪い糸状菌があればよい糸状菌も存在し、農業病害のほとんどが糸状菌が原因となっています。
糸状菌による病気は、病気に感染した種芋や苗を使用することで畑に持ち込まれたり、連作によって土壌中の微生物が偏ることで発生しやすくなります。
さつまいものかかりやすい病気
うどんこ病
原因と症状
うどんこ病は、ウドンコカビという糸状菌が原因で、葉の表面に白い粉をまぶしたようなカビが発生し、次第に拡大していきます。感染が進むと、葉が奇形になったり枯れたりします。
予防と対処法
風通しと水はけをよくして予防します。発生したら、白くなった部分を取り除いたあと、木酢液などで消毒してください。殺菌効果のある薬剤散布も効果的です。
立枯れ病
原因と症状
立枯れ病は糸状菌の一種が原因で、下葉から黄化し、やがてしおれて株全体が枯れていきます。塊根にも黒い病斑が現れ、品質が著しく低下します。
予防と対処法
高温多湿の環境とならないよう土壌の水はけをよくして予防します。また、薬剤散布が予防に効果的です。被害を確認したら、罹患した株をすぐに周囲の土ごと処分して、使った道具は消毒してください。
つる割れ病
原因と症状
つる割れ病は、フザリウム菌と呼ばれる糸状菌が原因です。症状初期は下葉から黄化して落葉しやすくなり、進行すると茎が地際から縦に大きく裂けて、枯れてしまいます。
予防と対処法
薬剤を使って種芋や土壌消毒をして予防します。また、少しでも病気の傾向のある種芋は植えないようにしてください。発症したら株を根まで全て抜き取って処分します。
基腐病
原因と症状
基腐病は、糸状菌の一種によって引き起こされ、深刻な被害をもたらす可能性のある新しい病害です。発生初期は地上部に目立った症状はみられず、生育不良や葉が変色し異変に気づいたときには、病気が進行してしまっています。症状が悪化すると株元から黒く変色して、ツルに広がり枯死します。
予防と対処法
基腐病の予防には、発生地域からの種芋や苗の持ち込みを避け、水はけのよい環境を整えておきましょう。また、薬剤を散布して防除します。
発症したら罹患した株全体を全て取り除いてください。また、灌水や台風などによって周辺の畑にも感染が広がる可能性があるため、近くの農業センターや行政に報告しましょう。
さつまいもの病気のなかでも基腐病には要注意!
さつまいもの病気は、ほとんどが土壌伝染性の糸状菌によって引き起こされます。健全な種芋や苗の使用、水はけのよい環境整備が予防の基本です。
なかでも基腐病が発生してしまうと、数年間は病原菌が寄生しない作物しか栽培できなくなり、さつまいもを育てることができなくなってしまいます。
ぜひこの記事を参考に、さつまいもの病気の防除に役立ててくださいね。