【多肉植物の挿し木】茎が伸びすぎた徒長枝の仕立て直し方を解説
2024/8/20
多肉植物を育てていると、茎が伸びすぎて不格好になることがよくありますよね。そんなときは、挿し木という方法で仕立て直したり、株を増やすことができます。
この記事では多肉植物の挿し木の方法や、根が出るまでの期間をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
多肉植物の茎が伸びすぎたら、挿し木で仕立て直そう
Photo by あっちゃんさん@GreenSnap
多肉植物の挿し木は、上の写真のように多肉植物を茎の途中で切って、切り離した苗を新しく土に植えて増やす方法のことです。挿し木は「挿し芽」や「胴切り」と呼ばれることもあります。
また、「カット苗」という名前で出回る苗は、基本的には挿し木で増やした苗のことです。増やすと同時に伸びすぎた株の仕立て直しにもぴったりで、徒長してしまった株があれば挿し木にチャレンジしてみましょう。
ちなみに、多肉植物には「葉挿し」という増やし方もあります。よく混同されがちですが、挿し木と葉挿しは全く別の方法です。挿し木のメリットは、葉挿しよりもきれいな見た目を保ったまま増やせることが多い点でしょう。
※葉挿しの方法については、こちらの別記事を参考にしてください。
多肉植物の挿し木(仕立て直し)に適した時期はいつ?
多肉植物を挿し木で増やすのに最適な時期は、春から初夏にかけてです。
多肉植物はこの時期に生育期に入るため、切り離したカット苗が発根しやすくなり、挿し木の成功率が高まります。
挿し木を成功させるためには、乾燥がポイントになります!梅雨の時期や湿度が高い時期は挿し木には適さないので避けましょう。
多肉植物の挿し木で準備するもの
- 清潔で切れ味のいいハサミ
- 小瓶や網など、カットした苗を引っ掛けられるもの
- 多肉植物用の土
- 鉢底石・鉢底ネット
- カットした苗を挿す鉢
多肉植物の挿し木の手順
多肉植物の挿し木の手順は以下のとおりです。
- 親株から茎をカットする
- 切り離した苗をビンなどに挿して、切り口を乾燥させる
- 多肉植物用の土に植える
ひとつひとつの工程にポイントが詰まっているので、詳しくご紹介します。
①親株の茎をカットする
親株の茎部分を選んでカットします。カットする位置は、葉の下から3cmほどの位置です。カットしてから下葉をもぎ取っても大丈夫です。なお、断面をキレイにするため、かならず一太刀で切るようにしましょう。
もし茎がそこまで露出しておらず、葉が邪魔でハサミで切りにくい場合は、葉をもぎ取ってスペースをつくるか、糸かテグスを入り込ませ交差させるようにすると茎を切断できます。
②切り離した苗を乾燥させる
カットした茎は、直射日光を避けた明るい日陰の風通しの良い場所に置いて、1週間ほど乾燥させます。しっかり乾燥していないと、腐敗して発根できなくなるので注意しましょう。
乾燥させる際は、カットした茎が立つように、小瓶の口にひっかけたり、網にひっかけた状態で乾燥させるのがおすすめです。寝かせて乾燥させると茎が曲がってあとで植えにくくなるので注意してください。
③発根したら植える
茎の切断面が乾燥し、その後も明るい日陰に置いておくと、2週間〜1カ月で茎の切り口から根が出てきます。 十分に発根したら、多肉植物用の土が入った鉢に植えましょう。
多肉植物の挿し木後の管理方法
多肉植物の子株を植え替えたあとは、すぐに水やりをするのではなく、2〜3日たってから水やりをします。
急激に置き場所を変えることはせず、徐々に明るい日陰から日当たりのいい場所に移動させていきましょう。
多肉植物の挿し木でよくある質問
多肉植物を挿し木してから根が出るまでどのくらいかかる?
挿し木から発根するまでの期間は、植物の種類や環境により異なりますが、一般的には2〜3週間ほど。ただし、環境や時期によっては数ヶ月かかることもあります。
発根させるコツとしては、日当たりが大切です。あまり日当たりのいい場所には置かないで、照明なしで本が読める程度の明るさを目安にしましょう。
多肉植物のカットした親株はもう育たないの?
カットした親株も適切なケアを行えば、成長点から新しい芽を出して再び成長します。切断面から新たな成長を促すためには、日当たりのいい場所に置いておくことが大切。また、切り口には水をかけないように、適度に水やりしておきましょう。
多肉植物の挿し木に使う枝は乾かさない方がいいと聞いたけど本当?
前項にて、多肉植物の挿し木をする際には、切り口を乾かしましょうと記しましたが、実際は乾かさない方が発根率が高いといわれています。ただし、失敗するリスクも大きいため、初心者の方は切り口を乾かしてから、挿すといいでしょう。
挿し木で増やすのに向いている多肉植物の種類は?
多肉植物のほとんどの種類は挿し木で増やすことができますが、中には挿し木に向いていない多肉植物もあります。
たとえば、ハオルチアやアガベ、メセン系など茎が目立たないタイプの多肉植物は、どちらかというと葉挿しや株分けで増やすのがおすすめです。
メジャーな多肉植物であるエケベリアやクラッスラ、セダムなどは挿し木に向いているので、やり方さえ正しければ簡単に発根して増やしたり仕立て直しができますよ。
多肉植物が伸びすぎたら、挿し木で仕立て直すと◎!
挿し木は簡単かつ、すぐに別の株として増やして楽しめたり仕立て直しにも使えるので、覚えておくと便利な方法です。挿し木する時期と乾燥させることさえ守れば成功率も高いので、気軽に挑戦してみましょう!
NHK Eテレ「趣味の園芸」講師・GreenSnapオフィシャルアンバサダー
2011年から2021年までNHK Eテレ「趣味の園芸」司会を務め、現在は講師として出演。NHK総合「あさイチ」のグリーン講師も務める。
園芸とフラワーデザイン両方の資格を持ち、両面から楽しさを伝える園芸デザイナー。
ガーデンの監修・制作、テレビ・イベント・講演会等多岐に渡り、植物の魅力を発信している。
公式HP:https://mikamimasashi.site/
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挿し木の際、意図せず落ちてしまった場合も安心してください。葉の付け根からも子株が生まれ、根も出てきます。落ちてしまった葉は捨てずに、土の上に置いて葉挿しにもチャレンジしてくださいね。