【連作障害の対策と原因】家庭菜園でも注意が必要?
2024/8/7
家庭菜園を始めて数年したころ、野菜を育てているとだんだんと生育が悪くなったり、病気が蔓延して失敗したという経験はないでしょうか。これは「連作障害」と呼ばれる現象のせいかもしれません。今回は、連作障害について対策や原因を詳しく解説します。
連作障害とは

Photo by はな(*´∀`)♪さん@GreenSnap
連作障害とは、同じ科の野菜を同じ場所で栽培し続けることで起こる生育障害のことです。お庭の花壇で育てる家庭菜園では、とくに栽培スペースが限られているため、対策していないと必ず発生してしまいます。
また、トマトやナス、ジャガイモは同じナス科なため連作障害を起こします。全く違う野菜に見えても分類が同じということもあるので注意しましょう。ナス科やウリ科、マメ科、アブラナ科などは、とくに連作障害を起こしやすいです。
連作障害の原因
栄養バランスの偏り
同じ科の野菜を育てていると、その野菜に必要な養分ばかりが吸収されて枯渇し、土壌中の栄養バランスが偏ってしまいます。土壌の栄養バランスが偏ることで、根張りが悪くなって生育が鈍化したり、品質が落ちたりします。
また、肥料による塩類集積も連作障害の原因の一つです。
土壌の病原菌や害虫
連作をすると、その作物を好む病原菌や害虫が増加して、被害が拡大しより深刻なものとなっていきます。
連作障害で起こる主な病気一覧
青枯病 | ナス科の野菜で発生し、茎葉が突然しおれ戻るを繰り返して、枯死する。 |
萎黄病 | アブラナ科の野菜で発生し、下葉から黄色く萎れて枯れる。 |
根こぶ病 | アブラナ科の野菜で発生し、根にこぶができて、生育不良を起こす。 |
つる割病 | ウリ科の野菜で発生し、葉が萎れて枯れ落ち、全体に広がっていく。 |
線虫害 | ほとんどの野菜で発生し、根腐れしたり、立ち枯れたりする |
生育障害の対策
土壌改良と消毒をする
連作障害を防ぐために、土壌をよい状態に保つことが重要です。まず、病原菌や害虫が発生していたら、根も残さないように株全体を取り除いておきます。そのあと、深耕して土を掘り返して太陽光で消毒したり、石灰を混ぜて土壌を消毒してください。
土壌を消毒したあとは、さらに土壌改良材を土に混ぜ込んで、地中の微生物を活発にし、病害虫の発生を緩和しましょう。輪作する
連作を避け、異なる科の野菜を順番に栽培する輪作は連作障害対策の基本です。輪作をすることで土壌のバランスが保たれ、生育障害が起こりにくくなります。
ナス科は3〜4年、アブラナ科は1〜2年など輪作年限という目安があり、これに従って輪作を計画しましょう。コンパニオンプランツを植える
コンパニオンプランツとは、育てたい野菜と一緒に植えることで、その野菜の生育を助けたり、発生しやすい病害虫を抑えたりする植物のことです。例えば、ナス科の野菜と一緒にニラやネギなどのヒガンバナ科を混植することで、青枯病の病原菌を減らし、発生を抑制する効果があります。
育てたい野菜に適応するコンパニオンプランツを活用してみましょう。
連作障害を知って対策しよう!
連作障害は、家庭菜園でも起こりうる問題です。野菜を育てる際は、育て方と一緒に連作障害についても調べて、輪作に向いている野菜や対応するコンパニオンプランツを知っておくとよいでしょう。