ケシの花は違法？見分け方と見つけたらどうしたらいいのかを解説

ケシの花は、春〜初夏にかけて色鮮やかで美しい花を咲かせる草花です。ガーデニング用に普及していますが、ケシのなかには、法律で栽培が禁止されているものがあるのをご存知でしょうか？

この記事では、違法なケシの花の種類と見分け方、そして見つけた場合の対処法について詳しく解説します。

大麻と同じ？絶対に植えてはいけないケシの花

ケシの仲間のなかには、大麻と同様に幻覚作用や依存性のある麻薬成分を含む品種があります。これらは、アヘンといった違法薬物の原料となるため、たとえ観賞用であっても栽培が禁止されています。

違法なケシを栽培すると、法律に基づき処罰の対象となる可能性があるため、絶対に植えてはいけません。

違法なケシの花の種類と見分け方

ケシ（ソムニフェルム種）

ケシ（ソムニフェルム種）は、春〜初夏に10cmほどの大きな花を咲かせます。一重咲きの花びらは4枚で、色は赤や桃、紫、白などです。また、多数の花びらのついた八重咲きもあります。

草丈は100〜160cmほどになり、葉は互い違いにつき、上部の葉は茎を巻き込むように茎につきます。葉や茎、つぼみはキャベツの葉のような白みがかった緑色をしており、ほとんど毛がありません。

花が終わると、3〜6cmほどの大きな果実をつけ、だ円形や球形で上部が平たい皿状になります。

アツミゲシ（セティゲルム種）

アツミゲシは、ソムニフェルム種より全体的に小型で、春〜初夏に花を咲かせます。花びらは4枚、花色は薄紫や赤です。

草丈は50〜100cmほどで、葉や茎はよく分枝し、緑色をしています。ソムニフェルム種と比べて毛が多く、つぼみのがく片や花の下の茎には毛が密集しています。葉は互い違いに茎につき、上部の葉は茎を巻き込むように茎につきます。

果実もソムニフェルム種より小さいです。

ハカマオニゲシ（ブラクテアツム種）

ハカマオニゲシは、初夏に直径10cmほどの鮮やかな真紅の花を咲かせます。花びらは4〜6枚で、花の基部にはっきりとした黒紫の斑点があるのが特徴です。花のすぐ下には4〜6枚のハカマ（苞葉）があり、果実ができるまで残ります。

草丈は60〜100cmで、葉や茎全体が白く硬い毛で覆われています。葉は、深い切れ込みが入っており、濃い緑色をしています。また、つぼみを包むがく片の表面には、硬く伏した毛が多数ついています。

違法なケシの花を見つけたら

上記のケシを見つけた際は、決して自分で抜いたりせずに、すぐに警察や保健所に通報してください。植物の場所や状況を詳しく伝え、指示に従うようにしましょう。

専門家でない一般の方が勝手に処分すると、知らないうちに法律に触れてしまう恐れがあるため、必ず専門機関に任せるようにします。

植えてもいいケシの花

ケシ科ケシ属の植物でも、安全で園芸用に楽しむことのできるものもあります。ここでは、園芸用の代表的な品種と、それぞれの特徴や違いを紹介します。

ヒナゲシ

Photo by タッキーさん@GreenSnap

ヒナゲシは、直径6〜8cmの赤い花を咲かせ、ケシやハカマオニゲシに比べて小さいです。花色は、紅やオレンジ、もも色などで、花びらが4枚の一重咲きと八重咲きがあります。

葉や茎、つぼみは細かい毛で覆われており、葉には羽状に切れ込みがあります。つぼみのがく片には毛がほとんどありません。

オニゲシ

Photo by sammyさん@GreenSnap

オニゲシは、直径10cmほどのオレンジや赤色の花を咲かせ、花の基部に黒紫の斑点があるものとないものがあります。

茎や葉の全体が毛に覆われており、葉には深い切れ込みが入っています。

ハカマオニゲシと非常によく似ていますが、花の色が真紅の花であるかや、花びらの基部の斑点がはっきりしているか、に注目して見分けます。また、オニゲシの葉はハカマオニゲシよりも黄色味がかっており、オニゲシのつぼみの毛は直立している傾向にあります。

アイルランドポピー

Photo by みっこさん@GreenSnap

アイスランドポピーは、直径7〜8cmの赤、桃、橙、黄、白などの花を咲かせます。草丈が70〜80cmで、葉や茎、つぼみの表面には長く粗い毛があります。

葉には柄があり、長さは3〜15cmで、緑色をしており、深い切れ込みがあります。果実は長さ1〜2cmで、表面が毛で覆われているのが特徴です。

栽培が禁止されているケシの花を見つけたら通報を！

美しい花を咲かせるケシですが、なかには法律で栽培が禁止されている種類があります。もし近所やお庭に栽培が禁止されているケシが生えているのを見つけたら、自分で処分せずに、必ず警察や保健所に通報しましょう。