【家庭菜園の土作り】野菜がよく育つふかふかな土の畑の作り方
2024/10/2
家庭菜園をはじめるならこだわるべきなのが土作りです。今回は、野菜が好む土質や土作りに必要なもの、その手順を解説します。土作りの基礎をおさえ、心も体も喜ぶ収穫につなげましょう。
家庭菜園で知っておきたい野菜が好む土質

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家庭菜園をはじめるなら、最初に野菜が好む土質を知る必要があります。野菜が好む土質は、「水はけがいい」「水もちがいい」「通気性がいい」「土の酸度が適正」の4条件がそろう土です。
また、植物は根から水分や栄養を吸収しながら成長します。栄養満点で酸素が豊富な土だと、立派な実をつけるため、堆肥などの有機物をすき込んでおきます。
さらに、それらの栄養や水分をしっかり吸収させるため、ふかふかに耕されたやわらかい土にしておくことが理想です。
家庭菜園の土作りを始める前に
家庭菜園の土作りに取り掛かる前に、まずは現状の土質を確認しておきましょう。
土質の確認方法は、軽く湿らせておいた土を手で握り固めます。指で押してぼろぼろと崩れる場合は、水はけ、水もち、通気性に問題はないと考えられます。
指で押してもまとまっていてへこむだけの場合は、家庭菜園にあまり適していない固い土です。全体的に土をつくりかえてあげるとよいでしょう。
家庭菜園の土作りで重要な酸度調整
多くの野菜は弱酸性(pH6.0〜6.5)の土を好みますが、種類によって以下のように多少違いがあります。そのため、酸度測定器などで酸度を確認しておくとなおよいです。
土の酸度 | pH | 野菜の種類 |
酸性 | 5.0〜5.5 | じゃがいも、スイカなど |
弱酸性 |
5.5〜6.0 5.5 〜6.5 |
パセリ、大根、サツマイモ、里芋など トマト、キュウリ、にんじん、ナス、キャベツなど |
中性 | 6.0〜7.0 | ほうれん草、しょうが、玉ねぎ、アスパラガスなど |
現状の土の酸度がpH6.0未満の場合は、苦土石灰をまいて調整する必要があります。ちなみにpHを1.0あげるためには、苦土石灰400g/㎡が必要といわれています。
家庭菜園の土作りをする時期はいつ?
家庭菜園の土作りをする時期は、苗植えの1ヶ月〜2週間前を目安にしましょう。
家庭菜園の土作りで必要なもの
家庭菜園の土作りで必要なものとあると便利なものは次のとおりです。それぞれ用意したら、さっそく土作りに取り掛かりましょう。
【必須なもの】
【あると便利なもの】
家庭菜園の土作りの順番

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1.苦土石灰をまく
土を調べ終えたら、植え付けの2週間前に苦土石灰をまきましょう。苦土石灰を土に混ぜると、植え付けた苗が炭酸マグネシウムを取り込みます。炭酸マグネシウムによって酵素が活性化すると、苗や実が元気に成長します。
キュウリやトマト、ピーマンといった実をつける野菜には欠かせないものですから、積極的に取り入れましょう。
苦土石灰をまいた直後は、土がアルカリ性に強く傾いてしまうため、遅くても苗植えの2週間ほど前までに終わらせておく必要があります。
2. 堆肥や化成肥料をまく
次に、植え付け1週間前に堆肥や化成肥料をまきます。堆肥とは、微生物の力を使って有機物を発酵させた肥料のことで、家庭菜園の土作りに役立つ土壌改良資材です。
ホームセンターで購入できますが、家庭で出た生ゴミや落ち葉などを使って自作することも可能です。堆肥を土に混ぜると、土中の微生物が取り込み、野菜にとってよい土になります。
化成肥料は、空気や鉱石といった天然物を原料とした肥料で、初心者向けの肥料にあたります。速効性にすぐれているので、土に溶けやすく植物が取り込みやすい特徴があります。
なお、化成肥料には窒素、リン、カリウムのいずれかひとつしか含まない単肥と、複数の単肥や有機物を掛け合わせた配合肥料があります。
どちらもメリットが豊富なので、土の状態にあわせて選びましょう。
3. ふかふかに土を耕す
最後に、土全体をよく耕しましょう。前の段落でも説明したように、土を耕すことで、根から空気や栄養を取り込み、排水性を高めることができます。 また、このとき大きな石やゴミ、雑草などがあれば細かく取り除いてください。作付けしたい場所に木が植えてあり、日当たりの妨げになる枝があれば、不要な部分を切り落としましょう。
なお、土を耕すときは乾いている状態がいいです。土が湿っていると空気が混ざりにくく、また土そのものも重くなるので、乾くまで数日放置しましょう。
畑の土をふかふかにする方法は?
畑の土をふかふかにするためには、もみ殻やバーク堆肥、牛糞、腐葉土などの土壌改良剤をまいてしっかりと耕しましょう。土壌改良剤を入れることで、地中の微生物が活発となり増えて、土がふかふかになります。
プランター菜園なら市販の培養土を使うと便利!
玄関先や屋内、ベランダで育てるプランター菜園なら、市販の培養土を使うと簡単です。はじめて家庭菜園にトライする方や、狭い範囲で野菜を育てる方は、市販の土を購入するのもおすすめです。
家庭菜園はふかふかな土作りが肝心!
野菜のよく育つ畑を作るために、苦土石灰と堆肥や土壌改良剤、元肥を混ぜて土作りをしましょう。
野菜にとって土は、人間でいう家や食事にあてはまります。過ごしやすい環境、そして栄養満点の食事があれば、元気に暮らせるのと同じ意味です。心も体も喜ぶ家庭菜園を目指す方は、本記事を参考にしながら試してみてください。