観葉植物の土にカビが生えたらどうする?|対処法と予防策を解説
2023/10/18
観葉植物を育てていると、土のうえに白色の綿毛のようなカビが生えてくることがあります。このカビはそのまま放置していても大丈夫なのでしょうか?
今回は、観葉植物にカビが生えてきたときの対処法と予防策、そして病気との見分け方をご紹介します。
観葉植物にカビが生えてしまった!このままで大丈夫?
Photo by いくさん@GreenSnap
土の表面に生えるカビやきのこは、ほとんどの場合、植物にとって無害です。自然界でも植物のまわりにカビやきのこが生えていることは一般的で、カビ(菌)は植物にとって必要不可欠です。
しかし、中には悪影響を及ぼすカビもあり、病気の原因となります。発生しているカビが、病気なのか無害なものなのか見分けられるようになりましょう。
観葉植物に生えるカビの種類と見分け方
土のうえに生えている白いカビ
土の表面に白い胞子のようなふわふわしたものが這うように広がる場合は、あまり心配する必要はありません。しかし、菌糸が株元に網のように広がっていて、周囲に小さな丸い卵のようなものがあるときは「白絹病」の可能性があるため注意が必要です。
白絹病は、植物を枯らせてしまう感染病で、土壌からどんどん広がっていきます。感染して枯れてしまった植物を復活させることは難しいでしょう。
枯れていない場合は、きのこの菌核などで無害なこともあるので、土と鉢を新しくして植え替えるなどして様子を見ましょう。
葉や幹に生えているカビ
土だけでなく、植物の葉や幹からもカビが発生することがあります。この場合は病気の可能性が高いです。
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うどんこ病:植物の葉や茎の表面にうどん粉をまぶしたように、白いカビが発生します。葉の表面が覆われると、光合成が阻害されるだけでなく、葉から栄養が吸収されて生育が悪くなり、最悪の場合は枯れてしまいます。
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スス病:ハダニやアブラムシなどの害虫の排泄物をもとにカビが生えて、スス病となります。植物の葉や茎にスス(煤)がを被ったかのように黒く変色します。こちらも葉が覆われることで光合成ができなくなり、少しずつ弱っていきます。
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灰色カビ病:糸状菌と呼ばれるカビが原因で、植物の葉や茎、花などの地上に出ているほとんどの部分に発生します。初期症状として葉や花などに淡い褐色の斑点ができ、次第に大きくなって枯れはじめ、そのあと灰色のカビに覆われます。
観葉植物に生えるカビの対処法
日光に当てて乾燥させる
カビは気温や湿度の条件がそろうと発生します。カビが発生しにくい環境にするために、日当たりのいい場所に移動させて、湿気がたまらないようにしましょう。
お酢や木酢液を吹きかける
観葉植物の葉や土にカビが発生した場合には、お酢や木酢液(もくさくえき)を吹きかけて除去するのがおすすめです。お酢や木酢液には殺菌効果があり、予防にも役に立ちます。
木酢液は土になじむことで、病原菌を追い出す有効菌や微生物が活発になり、さらには虫除けにも効果があります。
散布の際は、どちらも匂いが強いので屋外で散布して、数時間おいてから室内に戻すとよいでしょう。
新しい土に植え替える
カビを除去しても再び生えてくる場合は、菌糸が土の奥深くまで侵入していることが考えられます。この場合は、新しい土に植え替えましょう。
カビを発生させないために消毒された培養土がおすすめです。鉢もよく洗うか、新しいものを用意してください。
ただし、植え替えには適切な時期があるので気をつけましょう。基本的に植え替えは、植物にとってストレスであるため、適期でないと弱ってそのまま枯れてしまう場合もあります。育てている観葉植物の植え替え時期を調べて行うようにしましょう。
観葉植物の土にカビが発生する原因は?
Photo by きっぺぇさん@GreenSnap
空気の流れが悪く、多湿の状態になっている
カビの発生原因としてまず考えられるのが、湿度が高いことです。一般的に、カビは湿度60%を超えると活動し始め、湿度が70〜80%の状態が数週間続くと発生するといわれています。
植物の水やりによって土が湿っている場合、風通しが悪く、湿度の高い部屋で育てているとカビが発生しやすくなってしまいます。
日当たりが悪い
カビは直射日光を嫌うため、日陰で繁殖することがほとんどです。日当たりが悪い場所で育てていると、土が乾きにくかったり、地熱も上がりずらくなるため、カビが発生しやすくなってしまいます。
肥料のやりすぎ
肥料は植物だけでなく、カビにとっても栄養分になります。元気に早く育ってほしいからといって、肥料をたくさん与えるのは避けてください。過剰に肥料を与えると、肥料焼けといって植物が枯れる原因になります。肥料は規定量を守って施しましょう。
観葉植物のカビの予防方法
観葉植物のカビを予防するためには、窓を開けたり、サーキュレーターを使って風通しをよくし、多湿の状態にならないようにしましょう。また水はけのよい鉢や土を使うことで、乾湿のメリハリがつき、湿度の高い状態が続くのを防ぐことができます。
このほか、カビの菌糸は50℃ほどでほとんどの菌糸が死滅するそうです。日光に当てて地熱をあげることでカビの活動しにくい環境をつくりましょう。
まとめ
基本的に植物と菌は、お互いを助け合って生きていく共生関係にあり、菌は決して悪いものではありません。しかし、室内の観葉植物は、見た目の美しさを保つためにも、カビが生えない清潔な環境に保つことが大切です。
この記事を参考に、自宅の観葉植物にとってよい生育環境を探してみてくださいね。