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楓(カエデ)と紅葉(モミジ)の違い|知っているようで知らない?秘められた歴史とは?

2024/4/2

秋になると、美しく色づいた葉を楽しむ「紅葉狩り」が人気です。その主役となるのが、「楓(カエデ)」と「紅葉(モミジ)」です。

どちらも赤や黄色に色づき、秋の風情を感じさせてくれますが、両者には違いがあるのでしょうか?ここでは、楓と紅葉の違いについてご紹介します。

実はどちらも「楓(カエデ)」なんです

Photo by XLCRさん@GreenSnap

植物学上では、楓も紅葉もどちらも「ムクロジ科カエデ属」に分類されます。つまり、楓と紅葉は同じ品種の植物です。

日本では、古くから紅葉する木を「モミジ」と呼んできましたが、これは「楓」の一種であるということになります。海外では、楓と紅葉の区別はなく、どちらも「メープル(Maple)」と呼ばれています。

楓と紅葉の分類は、日本独自のもの

植物学上では楓と紅葉は同じ植物ですが、日本では一般的に葉の大きさや色などでそれぞれを呼び分けています。

比較的大きな葉を持ち、葉の切れ込みが浅いものは「楓」、葉が小さめで手のひらのような形をしており、深い切れ込みがあるものを「紅葉」と呼びます。

また、赤く色づいた鮮やかな葉を紅葉と呼びます。盆栽の世界や園芸の世界では、これらの違いではっきりと区別される場合もあります。

紅葉の名前に秘められた歴史

「もみじ」という言葉は、古語の「もみづ」が語源だと言われています。「もみづ」とは、かつてベニバナなどの植物を揉みだして染料を作る際、水中に美しく広がる色の様子を表現した言葉でした。

やがて「もみづ」は、秋に草木の葉が赤や黄色に色づく様子を指すようになり、「もみぢ」という言葉へと変化しました。そして特に鮮やかな紅葉を見せる楓の葉を、「もみじ」と呼ぶようになったのです。

一方、「かえで」という名前は、葉の形が蛙の手に似ていることから付けられました。こうした紅葉の名前からは、古来より日本人が自然の美しさに感銘を受け、独自の表現を生み出してきた歴史を垣間見ることができるでしょう。

楓と紅葉を楽しもう!

楓と紅葉は、どちらも秋の風景に欠かせない存在です。植物学的には同じ仲間でありながら、日本独自の感性で呼び分けられてきた両者の違いを知ることで、紅葉狩りがより一層楽しくなるでしょう。深まる秋に、色とりどりに染まる楓と紅葉の美しさを、ゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。