鈴蘭には毒がある?植えるとき、飾るときに気をつけることは?
2023/6/23
白くて小さなつぼ型の花を咲かせるかわいい鈴蘭ですが、強い毒があることを知っていますか?この記事では、鈴蘭の毒の成分や症状、室内に飾る時の注意点などをご紹介します。
鈴蘭には毒があるって本当?
Photo by tomoさん@GreenSnap
鈴蘭の根や花には、多く有毒物質が含まれています。「コンバラトキシン」や、「コンバロシド」とよばれる有毒物質は、摂取すると、嘔吐や頭痛、めまい、血圧低下、心臓麻痺などを引き起こし、時に死に至るほどの猛毒です。
日本国内では、山菜の「行者ニンニク」と間違えて食べてしまうケースがあったり、欧米諸国では、秋になると鈴蘭の茎に実のらせる赤い果実を子どもたちが誤って口にしてしまう事件が毎年のように発生しています。
室内に飾る場合は、鈴蘭を挿した花瓶の水をペットが誤飲してしまうケースもあるので、室内に飾る場合は、人間だけでなく、ペットへの注意も必要です。
鈴蘭のどこに毒性があるの?
鈴蘭に含まれる有毒物質「コンバラトキシン」は、とくに花の部分に多く含まれ、鈴蘭の全体にも含まれてます。
鈴蘭がもつ毒の致死量は、0.3㎎/kgと青酸カリよりもはるかに強い毒性をもっていますが、口に入りさえしなければ問題はありませんし、鈴蘭の花の匂いをかぐだけなら問題ありません。しかし、匂いをかいで花粉を吸い込むこともあるので、鈴蘭の花を鼻や口には近づけないようにしましょう。
鈴蘭の毒は水1Lに対して500㎎の水溶性があり、鈴蘭を浸した水を大量に摂取すると呼吸停止や心不全を引き起こす危険性があります。とくに、子どもやペットなどは大人に比べて少量でも致死量に達するので、花壇では鈴蘭が生えている場所に連れていかない、室内で飾る場合は絶対に手の届かない場所に置くなど細心の注意を払いましょう。
鈴蘭の毒は、土壌にまで毒が及ぶことはないとされており、近くにほかの植物があっても根が毒を吸い上げることはないといわれています。しかし、鈴蘭の葉や茎を切ったあと、同じハサミを使って葉野菜や果実など収穫すると危険なので注意しましょう。鈴蘭を切ったあとのハサミは流水でよく洗い流すか、花用と果実や野菜の収穫用でハサミを使い分けるなどの注意が必要です。
鈴蘭の毒にあたらないために注意すること
花壇の植え替えなどで鈴蘭に長時間触れる場合は、ゴム手袋などをはめて、直接触れないようにしましょう。
また、犬や猫などペットの場合は一度誤って食べてしまっただけでも、致死量に至る場合があるので、ペットがいたずらで触ったり、登ったりするような場所に花瓶を置いたりしないようにしましょう。
鈴蘭は毒に注意して楽しもう
Photo by SAKURAさん@GreenSnap
鈴蘭には毒がありますが、触ったり誤って口に入れたりしなければ、問題ありません。ただ、たった1度だけ、それも少量の摂取でも死亡事例があるほど猛毒なので、常に細心の注意を払いながら扱いましょう。