柊を庭に植えてはいけないって本当?その理由や対策を解説!
2024/8/26
トゲトゲしい葉が特徴の柊は節分の魔除けとして利用され、セイヨウヒイラギの赤い実はクリスマスの飾りの定番ですが、そんな柊は「植えてはいけない」といわれることがあります。
今回は、柊を植えてはいけないといわれる理由と、上手に育てるためのポイントを解説します。
柊を植えてはいけないといわれる理由は?

Photo by あっきさん@GreenSnap
葉に鋭いトゲがある
柊の葉には、鋸歯(きょし)と呼ばれる鋭いトゲがあり、触れるとケガをする可能性があります。このトゲは柊の若木のときにみられ、年数を重ねて丸くなっていきますが、子どもやペットがいる家庭や、柊の木が通路に面している場合には注意が必要です。
実に毒がある
厳密にいうと、柊の実に毒性はありません。柊は、モクセイ科モクセイ属で白い花を咲かせ、紫色の実をつけます。一方で、セイヨウヒイラギは、モチノキ科モチノキ属で淡い黄色の花を咲かせ、赤い実をつけますが、この実には「サポニン」という毒性のある成分を含んでいます。
セイヨウヒイラギの実には毒性があり、誤って食べてしまうと嘔吐や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
害虫がつきやすい
柊は、カイガラムシやテントウノミハムシなどの害虫がつきやすいです。
カイガラムシは、幹や枝などにくっついて吸汁し、放置するとすす病の原因にもなります。
テントウノミハムシは成虫がてんとう虫に似た害虫で、幼虫のうちは葉裏などに潜んでおり、成虫となった6〜7月に葉を活発に食害します。成虫になると薬品が効きにくいため、大量発生すると駆除が難しいです。
落下した実の掃除が大変
柊は、春〜初夏にかけて多くの実をつけ、これらの実が成熟して落下すると、庭が汚れてしまいます。
落下すると掃除が手間なため、植えてはいけないといわれることもあるようです。実が落ちる前に摘み取ることで、掃除の手間がある程度減ってよいでしょう。
植えてはいけないとされる柊をうまく育てる方法
葉にトゲのない品種を選ぶ

Photo by あやせさん@GreenSnap
柊のなかには、マルバヒイラギやキッコウヒイラギといった葉にトゲのない品種もあります。また、「ヒトツバヒイラギ」は葉の先端にだけトゲがあります。トゲのない品種を選べば、剪定などのお手入れもしやすく、安心して育てることができるでしょう。
定期的に剪定する
定期的に剪定することで樹形を整えられるだけでなく、病害虫の発生も抑えられます。3〜4月と10〜12月の年に2回、込み合った枝を間引くように剪定をしましょう。
実の毒が心配なら柊を選ぶ
子どもやペットがいて実の毒性が心配な方は、セイヨウヒイラギは避け、毒性のない柊を植えましょう。一方で、セイヨウヒイラギは柊ほど実をつけないため、柊に比べて掃除が楽です。
柊を植えてはいけない理由を知って、うまく育てよう!
柊は、若木にある葉のトゲや害虫のつきやすさ、掃除といったお手入れにほかの庭木よりも注意が必要なため、植えてはいけないといわれているようです。しかし、いずれも知っていれば対応しやすいものばかりですね。
また、葉に棘があることから古くから生垣としても活用され、「保護」「あなたを守る」などよい意味の花言葉や、邪気除け効果があるといった魅力もありますよ。