代表的なハーブの種類一覧!食用品種の名前や写真、効能をご紹介
2024/11/5
この記事では、数多くの種類があるハーブの中から、日本でも育てやすく、収穫後食用、薬用、芳香用として楽しめる18種類を厳選してご紹介します。
そもそもハーブは生命力が高い植物なので、ガーデニング初心者さんにもおすすめですよ。花が咲く種類もあるので、ハーブガーデンを楽しんでみてください。
そもそもハーブとは?
そもそもハーブとは、香草や薬草として食用・薬用・虫除けなどに使われる植物の総称です。
よく耳にするスパイスもハーブのジャンルのひとつ。スパイスは実や根などを使いますが、ハーブは茎や葉、花を使うという違いで呼び分けされています。
その昔、ハーブを含めスパイスは、通貨の代わりとされるほど重宝されていて、シルクロードによって各国のハーブ・スパイスが世界に交易品として広まりました。
ハーブにはどのくらい種類がある?
そんな古くより生活に根付いてきたハーブですが、その種類は1万を超えるほどあるとされています。
ちなみにハーブの種類は、用途によって下記のように呼ばれることもあります。
- カリナリーハーブ:料理用のハーブ・スパイス。香りづけ、臭みとりに使われる
- オーナメンタルハーブ:園芸用のハーブ。花が咲き芳香や虫除け効果がある
- メディカルハーブ:薬用のハーブ。消炎効果や沈静効果などがある
- アロマティックハーブ:芳香用のハーブ。香りからリラックス効果などがある
代表的な食用ハーブの種類一覧!どんな効能がある?
ミント
ミントはハーブの仲間で、「ペパーミント」などがよく知られていますね。清涼感のある香りで、植え付けは春または秋頃、7~9月頃になるとピンク色や白色の花を咲かせます。
ミントには殺菌や風邪の予防効果などがあると言われ、ハーブティーや入浴剤、アロマオイルなど幅広く利用されることが多いです。その他、ミントは料理では肉や魚の匂い消しとしても重宝されています。
タイム
タイムは爽やかな香りが多く、種類によって少しずつ香りが異なります。春または秋にはピンク色の可愛らしい花が咲き、植え付け時期も花が咲く時期とほぼ同じです。
タイムには防腐や殺菌効果があるようで、歯磨き粉や石鹸に利用されることもあります。また、タイムはうがい薬やハンドソープなどに使用されていることも多いですよ。風邪が流行る冬の時期は、積極的にタイムを使いたいですね。
パクチー(コリンダー)
パクチーは特有の香りを放つハーブで、エスニック料理に使用されることが多いですね。食欲増進や消化促進効果などがあると言われ、胃もたれした時はコリアンダーシードのハーブティーがおすすめです!
パクチーは家庭菜園でも育てることができ、5〜6月頃になると白色の花を咲かせます。種まきは3〜5月または9〜10月頃が適期で、植え付けてから40日ほどで収穫できますよ。
バジル
バジルはイタリアン料理に使われることが多く、爽やかな香りが特徴です。家庭菜園でも人気があるハーブで、種類によって見た目や香りが異なります。バジルは暖かくなる4〜5月頃に種を撒き、7〜9月頃になると白色や紅色の花を咲かせますよ。
バジルは胃腸の機能を高める効果があるといわれ、胃腸の調子がよくない時はバジルを取り入れるとよいでしょう。そのほか、ストレスを感じたらバジルのアロマオイルを焚くとよいです。
パセリ
パセリといえば、西洋料理で使われることが多いですね。パセリには消化不良に効果があるだけでなく、腹痛や生理痛などを改善する効果もあるといわれています。また、ビタミン類が豊富なことから、アンチエイジング効果もあるようです。
パセリには春まきと秋まきがあり、春まきは4〜5月頃、秋まきなら9〜10月頃に種まきしましょう。寒さや暑さには強い傾向があり、6〜7月頃になると白色の花を咲かせます。
ルッコラ
ルッコラは胡麻を連想させるような風味が特徴で、サラダや肉料理の付け合わせなどで食べられることが多いですね。家庭菜園でも人気があり、初心者の方でも育てやすいハーブです。
ルッコラは4〜6月頃または9〜10月頃が種まきの適期で、葉の長さが約10〜15cmに成長したら収穫できますよ。気温が高くなると白色の小花を咲かせ、ビタミン類が豊富なのでアンチエイジング効果もあるといわれています。
シソ
シソは清涼感のある香りが特徴で、和風料理に利用されることが多いですね。葉が緑色のものは「青じそ」、紫色なら「赤じそ」と呼ばれ、青じそはうどんやお寿司などの薬味として使われます。一方、赤じそはシソジュースなどで楽しむことが多いです。
シソには殺菌作用があることから、生魚と一緒に食べることで効果があると言われています。種まきの時期は4〜5月頃で、秋のはじめ頃になると紅色や白色の花が咲きますよ。
クレソン
クレソンは特有の苦みがあるハーブで、肉料理の付け合わせとして利用されることが多いですね。食物繊維を豊富に含んでいることからデトックス効果があると言われ、生で食べることで効果を発揮するようです。
種まきの時期は春または秋頃で、4〜5月頃になると白色の花を咲かせます。ただし、クレソンを食用として育てているなら花が咲くと葉が硬くなってしまうので、蕾の段階で摘み取りましょう。
フェンネル
フェンネルはスパイシーな香りと苦みが感じられるハーブで、魚料理と相性がよいです。発汗作用や利尿作用があるとされ、むくみ改善や冷え性などに効果があると言われています。また、フェンネルの特有な香りは、口臭予防の効果もあるようですよ。
フェンネルの種まきと植え付け時期は春または秋頃で、初夏になると黄色い小花をたくさん咲かせます。収穫時期は花が咲き終わり、実が色づいた頃がタイミングです。
観賞用でも人気のハーブの種類一覧!どんな効能がある?
ラベンダー
ラベンダーはリラックスできるような香りが漂い、紫色の花を咲かせる人気のハーブです。「ハーブの女王」とも呼ばれ、ハーブティーや入浴剤など幅広い楽しみ方がありますよ。
ラベンダーにはストレスを緩和される効果があるとされ、夜にラベンダーの香りを嗅ぐとリラックスして眠ることができるようです。植え付け時期は3〜4月または10月頃で、初夏に花を咲かせます。
ベルガモット
ベルガモットはアールグレーティーのような香りを放ち、観賞用としても楽しめるハーブです。ベルガモットの植え付けは春と秋頃が適期で、初夏から秋まで長い期間赤色やピンク色、紫色など色とりどりの花を咲かせますよ。
消化促進の作用があるとされ、胃腸の働きがよくなければベルガモットティーを飲むと和らぐようです。その他、鎮静効果もあるようなので、生理痛などにベルガモットを取り入れるとよさそうですね。
ディル
ディルは爽やかな香りのハーブで、葉や蕾の部分は肉料理や魚料理などに使われることが多いです。ディルの花は細かく刻むことで、卵料理のトッピングにも人気がありますよ。ビタミン類やミネラルが豊富なので、胃腸を整える効果があるといわれています。
ディルは春または秋頃が種まきの時期ですが、秋まきの方が一般的です。5〜7月頃になると黄色い花をたくさん咲かせ、可愛らしい雰囲気ですよ。
レモングラス
レモングラスは、レモンの爽やかでショウガのようにスパイシーな香りが特徴です。東南アジアではよく利用されるハーブで、タイのトムヤムクンの味付けに使われていますよ。ハーブティーやアロマオイルなどにも利用され、レモングラスの香りを嗅ぐことで体のさまざまな機能を向上させる働きがあると言われています。
レモングラスを地植えで育てる際は5月〜初夏に植え付け、7月頃になると稲穂のような花を咲かせることがあるようです。
ジャーマンカモミール
ジャーマンカモミールはりんごのようなフルーティーな香りを放ち、他のカモミールよりも花芯が大きいことが特徴です。鎮静効果があるようで、皮膚のかゆみや痛みなどを緩和させる働きがあるとされています。
その他、婦人科系の不調にも働きかけ、ハーブティーやアルマオイルなどに使われることが多いです。ジャーマンカモミールは春または秋に植え付け、3〜6月頃に白色の花を咲かせます。
ローリエ
ローリエは月桂樹の葉を乾燥させたハーブで、煮込み料理などに使われることが多いです。植え付け時期は他のハーブと同じく春か秋で、4〜5月頃になると黄色い花を咲かせます。
ローリエの葉にはシネオールなどの香り成分を含み、消化促進や食欲増進などの効果があるようです。そのほか、炎症を和らげるようなので、入浴剤として使えば疲労も回復すると言われています。
オレガノ
オレガノの葉は渋みのある香りがありますが、乾燥させると臭みが取れるので料理に利用されることが多いです。夏になるとピンク色や白色の花を咲かせ、和名では「ハナハッカ」、別名「ワイルド・マジョラム」とも呼ばれています。
オレガノには整腸効果があると言われているので、食べすぎた時はオレガノのハーブティーを飲むとよいでしょう。植え付けは春または秋頃で、葉の収穫時期は4〜10月頃、花なら6〜8月頃です。
チャイブ
チャイブは、ニンニクのような香りがかすかに漂うハーブです。消化促進の効果があると言われ、葉はサラダやスープ、肉料理や魚料理などに多く利用されています。
チャイブにはビタミンCや鉄分が豊富なので、貧血予防や食欲増進、風邪の予防効果などがあるようです。チャイブの種まきは3〜4月または9〜10月頃で、5月頃になるとピンク色の花が咲きますよ。
メドーセージ
メドーセージは爽やかな香りを放つハーブで、6〜10月頃まで鮮やかな紫色の花を咲かせます。真夏の暑さが苦手なので、春または秋に植え付けるとよいでしょう。
メドーセージは別名「サルビア・ガラニチカ」とも呼ばれ、ハーブの仲間ですが観賞用として利用されることが多いです。メドーセージは暑さや寒さに強いので育てやすく、お庭などに植えれば雰囲気も明るくなりますよ。
ハーブを育てるなら原産地で種類を覚えるといい!
ハーブを育てるなら、そのハーブの原産地に注目して、原産地の気候にあわせた栽培環境をつくってあげるといいですよ。また、もし寄せ植えしたり同じ庭、プランターで育てるときは、同じ原産地のハーブの種類を組み合わせましょう。
ハーブの主な原産地とその種類は、下の表を参考にしてみてください。
原産地 | 種類 | 環境 |
ヨーロッパ原産 | ミント、カモミール、カラミント、タラゴン、ダンデライオン | 夏は涼しく、冬は寒い。湿度は乾燥気味(水やり控えめ) |
地中海沿岸原産 | ラベンダー、タイム、セージ、コリアンダー、ローズマリー、パセリ | 夏は涼しく、冬は温暖。湿度は乾燥気味(水やり控えめ) |
東南〜西部アジア原産 | ガーリック、ジンジャー、ターメリック、アイ、レモングラス、バジル | 夏は暑く、冬も温暖。湿度は多湿気味(水切れ注意) |
日本〜中国アジア原産 | ドクダミ、シソ、ミツバ、山椒、クロモジ、タチバナ | 夏は暑く多湿、冬は寒くて乾燥している(緩急のある水やり) |
アメリカ原産 | アニスヒソップ、レモンバーベナ、ナスタチウム、エキナセア | 夏は暑く、冬は寒い。湿度は地域によって雨季と乾季がある環境(緩急のある水やり) |
ハーブの種類の名前がわからない方必見です
今回ご紹介した18種類のハーブは、どれも日本で育てやすい品種で代表的な品種になります。きっとあなたの探している種類が見つかるはず。
ハーブは生命力が強いといわれるものの、それは原産地の気候あってのこと。品種改良が少なく、かなり原産地の環境に依存するので、その全てが日本で育てやすいわけではありません。栽培に慣れてきたら、もっといろんな種類のハーブも育ててみましょう。
GreenSnapSTOREでは、品質のいいハーブ苗を多く取り扱っています。初心者の方でも安心できるよう、購入後も無料で相談できる育て方サポートがついているので、ぜひこの機会にチェックしてみてくださいね。
株式会社ポタジェガーデン 営業担当
ハーブ専門ポタジェガーデンに約10年仕事をさせてもらい、畑生産、苗生産、出荷から現在営業職を行っております。
現場で培った経験と知識を営業で更に深く掘り下げ、多くの方に伝えられる様に日々努めております。
原産地を覚えておくことで、自然とハーブの育て方も理解しやすくなります。例えば、温暖な気候産まれの品種は冬は寒さ対策しないといけず、乾燥地帯産まれの品種は夏場は風通し良くする方がいいため、株間は少し広めがいい…など。その品種が生まれた環境に近くすることで、長期的なハーブ栽培に役立ちますので、ぜひ原産地は参考にしてください。