【大根の育て方】種まき時期とプランター栽培でよくある失敗を解説
2024/9/25
大根の基本情報
科・属 | アブラナ科ダイコン属 |
栽培難易度 | かんたん |
種まき時期 | 4月〜5月中旬、8月下旬〜9月中旬 |
収穫時期 | 春まき:6〜7月上旬、秋まき:11〜1月 |
生育適温 | 15〜20℃ |
置き場所 | 日当たりと水はけのよい場所 |
肥料 | 元肥:必要/追肥:必要 |
大根はプランター栽培もできる!

Photo by まろんさん@GreenSnap
大根はアブラナ科ダイコン属の根菜類で、古くから栽培されてきた身近な野菜です。冬に旬を迎え、煮物やサラダ、おろしなどさまざまな料理に利用されます。根菜類の野菜は移植すると変形してしまうため、必ず種まきから栽培を始めます。
また、大根の品種を選べばプランター栽培もできます。プランター栽培に向いている品種は、「耐病総太り」「優等生」「YRくらま」や、ミニダイコンの「三太郎」「ころっ娘」などです。
大根の種まき時期
大根の種まき時期は、春まき4月〜5月中旬、秋まき8月下旬〜9月中旬です。根菜類である大根は、移植を嫌うため必ず種まきから始めましょう。
はじめての大根の種まきはいつ頃がいい?
初心者の方は秋まきがトウ立ちしにくくおすすめです。また、発芽適温は15〜25℃ほどで、種まきしたときに気温が13℃を下回っているとトウ立ちしやすくなるため注意してください。
大根のプランター栽培
大根をプランター栽培するときは、ミニ大根の品種なら深さ30cmのプランターを、一般的なサイズの大根であれば深さ40cmほどのプランターを用意してください。
プランター栽培での種まき方法
プランターに鉢底石を敷いたあと、2〜3cmほどのウォータースペースを残して用意した土をプランターに入れます。約15cmほどの間隔で深さ1〜2cmほどの植え穴をつくって、4〜5粒ずつ、種を蒔いて土を軽く被せます。種を蒔いたあとは、ハス口をつけたジョウロなどで優しく、たっぷりと水やりをします。
大根の育て方
日当たり
大根は冷涼な気候を好み、日当たりと風通しのよい場所で育てます。生育適温は15〜20℃ほどで、1日6時間以上の日光が当たる場所で栽培しましょう。
用土
露地栽培の場合は、植え付けの2週間前に苦土石灰を、1週間前には完熟堆肥と元肥を土に混ぜて耕しておきます。このときに、石などがあれば取り除いておきましょう。
プランター栽培の場合は、市販の野菜用培養土が使えます。
肥料
大根の肥料は、元肥としての1週間前に完熟堆肥と緩効性化成肥料を土に混ぜておきます。追肥は、2回目と3回目の間引きのあとに、等量配合の緩効性化成肥料を株まわりに施します。
水やり
露地栽培の場合は、基本的に水やりは必要ありませんが、乾燥が続いていたら水やりをしてください。
プランター栽培の場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
間引き・土寄せ
大根は3回に分けて間引きをします。1回目の間引きは、本葉が1〜2枚出てきたら痛んだ苗や勢いのない苗は抜き取り、苗を3本にします。
2回目の間引きは、本葉が3〜4枚になった頃に勢いのある苗2本にします。その後、株まわりに追肥し、土寄せをして株元に土を盛り上げてください。
3回目の間引きは、本葉が5〜6枚になった頃、元気のよい苗をひとつだけ残します。その後、再度追肥をして、根が埋まるようしっかり土寄せをしてください。
地上部から自然とせりあがってくる青首大根を除いて、しっかりと土で根が覆って、緑化してまわないよう注意してください。
収穫
春まきは6〜7月上旬、秋まきは11〜1月が収穫の適期です。葉の付け根をつかみ、折れないようにゆっくりと引き抜きましょう。
露地栽培の場合は根の直径が7cmほどになった頃を、プランター栽培の場合は3回目の間引きから約3週間後を目安に収穫をします。
病気・害虫
病気はベト病やうどんこ病、軟腐病、灰色かび病に注意します。春まきではとくに病気になりやすいので注意が必要です。うすめた木酢酢などを散布して予防するのがおすすめです。病気の症状を確認したら、症状のでた部分を取り除き、薬剤を散布してすぐに対処しましょう。
害虫は、アオムシやコナガ、ヨトウムシ、アブラムシなどに注意します。防虫ネットや害虫忌避スプレーを使用して予防するほか、発見したらすぐに駆除しましょう。
大根の育て方についてよくある質問

Photo by ちこかさん@GreenSnap
大根のトウ立ちってなに?
大根のトウ立ちとは、種まきして種子が動き出した頃に一定期間低温にさらされることで、花芽が分化しして花茎が伸び出す現象です。
トウ立ちすると花芽に栄養がとられて、根が太りにくくなり、スも入りやすくなります。必ず気温が13℃以上になってから種まきをし、トウ立ちしないようにしましょう。
大根を地植え(露地栽培)するときはどうする?
露地栽培の場合は、土づくりしておいた場所に幅約60cm、高さ約10cmの畝をつくります。次に、できた畝に直径5cm、深さ1cmの穴を30cm間隔でつくり、5〜6粒ずつ、種同士が重ならないように蒔きます。小さい空き缶やビンを使うと穴あけ作業がはかどります。
種を蒔いたら軽く土を被せ、ハス口をつけたジョウロなどで優しく、たっぷりと水やりをします。
大根の種まきが遅れるとどうなる?
大根の育て方でよくある失敗
根が変形してしまう
とくに露地栽培のときに起こりやすく、土の中に小石や木片などの異物や未熟な堆肥を使うと、それらにぶつかって大根が曲がったり、分かれてしまうことがあります。土づくりで土を深くまでよく耕して完熟堆肥を使い、異物をしっかりと取り除いておきましょう。
スが入って美味しくない
スとは、根のなかの細胞が老化現象を起こして、スポンジ状になることです。大根は収穫が遅れてしまうと、スが入り美味しくなくなってしまいます。また、多肥になっても生育が旺盛になってスが入りやすくなるので注意してください。
大根のプランター栽培でよくある失敗
根が太くならない
株間が狭かったり、間引きをしていないと根がうまく太らないことがあります。間引き作業は忘れず行って、とくにプランター栽培では株間に注意しましょう。
また、肥料の窒素成分が多いと葉ばかりが育って、これも根が太りにくくなってしまいます。
大根は種まきからでも栽培が簡単!
さまざまな料理に使える大根は、初心者でも比較的簡単に育てられる野菜です。とくに秋まきは生育が緩やかなのでスが入りにくく、病気の被害も少ないのでおすすめです。今回の記事を参考に大根の家庭菜園にチャレンジしてみてくださいね。