スイカのプランター栽培のコツ!種まき時期は?ほったらかしにできる?
2024/5/28
スイカの栽培情報
科・属 | ウリ科スイカ属 |
栽培難易度 | むずかしい |
種まき時期 | 3月下旬(生育適温:20℃) |
植え付け時期 | 4月上旬 |
収穫時期 | 7〜8月 |
栽培する場所 | 日当たりと水はけのいい場所 |
水やり | 基本的に不要 |
肥料 | 元肥と開花後に追肥が必要 |
スイカの栽培は初心者にはむずかしい!
Photo by kakirikeaさん@GreenSnap
スイカとは、ウリ科の一年生つる性植物で、漢字では「西瓜」と書きます。皮膚や粘膜の健康を維持する、β-カロテンや、余分な塩分を排出するカリウムなどが含まれており、夏にピッタリの野菜の一つです。
気候の影響を受けやすいため、家庭菜園で栽培するにはややむずかしいといわれています。
ただし、いくつかのポイントさえ知っていれば、家庭菜園である程度ほったらかしにして栽培を成功させることもできるのです!
スイカを
スイカの育て方
栽培場所
スイカは温暖な気候と十分な日照、風通しのいい環境を好みます。
用土
スイカは中酸性〜中性の土を好みますが、さほど土質を選びません。ただし、水はけのいい土を用意することが絶対条件です。
まず苗の植え付け2週間前に苦土石灰100g/㎡ほどまいて、十分に土を耕します。植え付け1週間前になったら、さらに堆肥2kg/㎡と化成肥料100g/㎡をまいて、さらに土を耕します。
なお、元肥として与える肥料には、窒素・リン酸・カリが同率で配合されたもの、もしくは窒素が少なくてリン酸が多いものを用いましょう。
ふかふかな土ができたら、幅80cm高さ15cmほどの畝をつくります。
種まき(※初心者は苗からの栽培がおすすめ)
スイカの種まき時期は、3月下旬頃です。まずは畑ではなく、ポットへ種をまいていきます。
3号ポットを用意し、培養土を入れたら深さ1cmほど穴を3箇所つくり、その穴に一粒ずつ種まきします。土を被せ、手で軽く抑えて土と種を密着させ、定植するまでしっかり水やりを続けます。
なお、スイカの種が発芽するには25〜30℃ほどの気温が必要となります。暖かい場所でポットを管理すると、5日ほどで発芽します。
間引き
本葉が2〜3枚出てきたら、1ポットにつき1苗になるよう、残り2本を間引きます。土から出た茎をハサミで切り落としましょう。
苗の植え付け
本葉が5枚ほど出てきたら、いよいよ畑へ定植します。植え付け時期の目安は、5月中旬頃です。
畝に1m間隔で根鉢ほどの穴を掘り、そこへ苗を植え付けていきます。ポットから苗を取り出す際、根を傷めないよう注意してください。 植え付けたら土寄せし、土と苗を手で押さえて密着させます。
土へたっぷり水やりし、畝全体をワラで覆う、もしくは黒のポリマルチを施しましょう。こうすることで、雨のはね返りを防いだり、保温、雑草予防に効果的です。
植え付け後、根が定着するまではしっかり保温してあげることが重要です。ホットキャップなどがあれば、なお良いでしょう。
水やり
スイカは基本的には乾燥した土を好むため、水のやりすぎに注意が必要です。
種まき直後と定植直後はしっかり根付かせるために、水をしっかり与えますが、その後は土が乾燥したら水やりする程度で問題ありません。 花が咲きはじめる頃になると、実が成長しているので水をたくさん必要とします。
おいしい実を収穫するためにも、開花時期〜収穫前までは水切れしないように頻度を調整してください。
摘心・誘引
苗の定植から1週間ほど経過した、5月下旬頃になったら、つるを摘心します。
主となる親づるから分岐する子づるを3本だけ残して、親づるの先端を切り落とします。残した子づるがすべて片側の溝に伸びるように誘引します。このとき、つる同士が絡み合わないよう注意してください。
できれば、この子づるを伸ばした方の溝にワラを被せてあげるとなお良いです。
人工受粉
Photo by ひいやんさん@GreenSnap
子づるが伸びて、雌花の2番花が咲いた6月下旬頃に人工受粉をして、着果を確実にします。雌花の先と雄花の雄しべを少し接触させ、近くになるようつるを少し整えます。朝の方が花粉量が多いため、作業は早朝から遅くても朝10時前までに終わらせましょう。
ちなみに雌花と雄花の見分け方は、花首のつぼみ部分がふくらんでいるかどうかです。ふくらみのあるの花が雌花で、雌花の1番花は子づるの7~8節目につくといわれています。
それ以前に花が咲くこともありますが、それらは雄花であることが多いです。
肥料・追肥
追肥の時期は、6月下旬〜7月下旬頃です。実がソフトボールほどの大きさにまで育ったら、追肥を施します。
つるが伸びていない方の溝に、20〜30g/㎡ほどの化成肥料をまき、軽く混ぜて土寄せします。
収穫
スイカの収穫時期は、7月下旬〜8月下旬頃です。とても重要になる収穫のタイミングについては、こちらの記事を参考にしてください。
スイカのプランター栽培を成功させるには?
栽培にスペースを要するスイカですが、実はプランターでも栽培することは可能です。小玉系の品種の場合は45cmほど、大玉系の品種の場合は75cmほどの幅がある大型プランターを用いて、そこに1株を目安に植え付けましょう。
ウリ科の植物は、根を浅く広く張る性質がありますが、支柱を3本立て、縦につるを誘引することで、省スペースでできる立体栽培が実現できます。
なお、プランター栽培の場合は水切れしやすいため、土が乾いたら都度水を与えます。真夏は、朝夕の2回水やりをするぐらいにしましょう。
スイカの育て方についてよくある質問・失敗例
スイカはほったらかしでも栽培できるの?
栽培がむずかしいスイカですが、適した環境さえあれば、ある程度ほったらかしにして育てる放任栽培も可能といわれています。
放任栽培をすることで、自然に近い形で成長させることができます。ただし、実がうまく育たないなどの失敗談もよくあるようです。
スイカの実がならない原因は?
スイカに与える肥料に窒素分が多く含まれていると、実がうまく育たないことがあります。必ず肥料の配合比率を確認してから、使用するようにしましょう。
スイカの葉とつるだけが伸びる!つるボケの原因は?
花も実もつかず、つるが伸びて葉や茎だけが茂るだけの状態のことをつるボケといいます。この原因は、元肥の与え過ぎやスイカの苗にストレスが加わることといわれています。
スイカのつるがしおれてきている!これは問題ないですか?
実が大きくなっている時期に、一部のつるが急にしおれてきた場合、つる割病を発症している可能性があります。
つる割病になった部分は早めに抜きとってください。また、連作に影響するので、5年ほどは同じ土でスイカを栽培しないように注意してください。
スイカの実が鳥に食べられてしまう!いい対策はある?
実が大きくなってくると、鳥の食被害にあいやすくなります。防鳥ネットなどを被せておくと安心です。
スイカの収穫後に追熟は必要ですか?
収穫後のスイカは追熟できません。収穫後、つるから切り離して1週間、2週間と常温で置いておいても、中の果実が熟して甘くなることはありません。
スイカを甘くする方法は?
スイカを甘くするには、収穫前の1週間ほどは水やりをストップし、土を乾燥させることです。こうすることで、実が甘くなるといわれています。
スイカのプランター栽培は小玉品種がおすすめ!
スイカの苗は、水やりを控えめにし、植え付け直後に霜や寒さに当てないようにすること施肥ではチッ素肥料は控えめにするなどコツがいくつかありますが、うまく受粉させてごろんと丸いスイカを自分で実らせる喜びは家庭菜園ならでは。ぜひチャレンジしてみてくださいね。