【ラベンダーの育て方】地植えの注意点や植え替え時期も徹底解説
2024/5/16
ラベンダーの基本情報
科・属 | シソ科ラベンダー属 |
分類 | 常緑性低木、草花 |
植え付け時期 | 4〜5月、10月 |
開花時期 | 4〜7月 |
剪定時期 | 6〜7月 |
置き場所 | 日当たりと風通しのよい場所 |
肥料 | 元肥・追肥:必要 |
ラベンダーとは
Photo by kako-hanaさん@GreenSnap
ラベンダーとは、シソ科ラベンダー属の常緑性低木で、草花として扱われることも多いです。春から初夏の4〜7月頃にかけて、鮮やかな紫や白、ピンクの花を咲かせ、葉には芳香があり古くからハーブとして栽培されてきました。ラベンダーのオイルは香水に、花はハーブティーなどに利用されます。
またラベンダーはアングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)、ストエカス系(フレンチラベンダー)、ラバンディン系、プテロストエカス系(レースラベンダー)、デンタータ系などの複数の系統に分けられ、それぞれ性質が異なります。
ラベンダーの育て方
日当たり
ラベンダーは乾燥した環境を好み、日当たりと風通しのよい場所で育てます。一方で、高温多湿に弱いため、梅雨時期は雨の当たらない場所、夏は蒸れないように涼しい場所に移しましょう。
植え付け
苗の植え付けは、春の4〜5月、または秋の10月が適期です。アングスティフォリア系とラバンディン系など高温多湿に弱い系統を地植えにするときは、西日の当たらない場所を選びましょう。また、春に植え付けると夏越しがしやすくおすすめです。
鉢植えの場合は、鉢が大きすぎると過湿になりやすいため、5〜6号ほどの鉢が適しています。地植えの場合は、水はけをよくするために高植えにしてください。
用土
ラベンダーは水はけと水もちがよく、弱アルカリ性の土壌を好みます。鉢植えの場合は、市販のハーブ用培養土やラベンダー専用培養土がおすすめです。
地植えの場合は、植え付けの2週間前から土づくりをしましょう。日本の土壌は、基本的に雨によって酸性に傾いています。植え付け2週間前に苦土石灰を混ぜてよく耕し、1週間前に堆肥を混ぜて再度耕しておきます。
肥料
肥料は、植え付け時に元肥として緩効性肥料を土に混ぜておきます。追肥は、開花後3〜5月頃と収穫後10月頃に緩効性肥料、または薄めた液体肥料を与えます。 ラベンダーは肥料を与えすぎると弱ってしまうので注意しましょう。
水やり
ラベンダーの水やりは、土がしっかり乾いたら株元からたっぷりと水やりをします。葉が少し垂れ下がった頃を目安に水やりをするとよいでしょう。
切り戻し・剪定
ラベンダーの剪定は6〜7月が適期です。収穫もかねて、二分咲き〜満開時に、葉を4〜8枚つけて花穂を切り取りましょう。収穫しない場合でも、草丈が半分くらいになるように半球状に切り戻しするとよいです。
また、枝が込み合っている部分があれば間引き剪定をして、風通しをよくしましょう。
夏越し・冬越し
ラベンダーは夏に弱ってしまうこともが多く、鉢植えであれば涼しい半日陰に場所に移したり、地植えであれば直射日光が当たるのを防いで夏越ししてください。
また、ラベンダーの耐寒性は系統によって異なります。イングリッシュラベンダーやラバンディン系は耐寒性があるためとくに冬越しの作業は必要はありません。レースラベンダーなど耐寒性の少し弱い系統は軒下などに移し、霜の当たらないようにしましょう。
病気・害虫
ラベンダーを育てる上で、病気の被害はあまりみられません。
害虫は、4〜5月ごろアブラムシやハダニに注意してください。見つけしだい殺虫剤などで駆除しましょう。
ラベンダーの植え替え時期はいつ?
ラベンダーの植え替えは、植え付けと同じく4〜5月頃、または10月頃が適期で、1〜2年に一回行いましょう。植え替え時には、できるだけ根を傷つけないように注意してください。
ラベンダーの育て方についてよくある質問
ラベンダーの育て方はかんたん?初心者向きの花ですか?
ラベンダーは、大きく5つの系統に分けることができ、系統によって耐暑性や耐寒性が異なります。ご自身の環境にあった系統を選ぶことで、初心者でもより安心して育てられます。
初心者におすすめな品種は、ラバンディン系で耐寒性と耐暑性ともにあって丈夫で育てやすいです。そのほか、フレンチラベンダーは暑さに強く温暖な地域に、イングリッシュラベンダーは寒さにとくに強く寒冷地で育てるのに向いています。
ラベンダーを地植えで育てるときの注意点は?
ラベンダーを地植えするときは、日陰の時間が半日以上続く場所や西日といった強い直射日光の当たる場所を避けて植え付けましょう。また、ラベンダーは弱アルカリ性の土壌を好むため、事前に酸度調整をしておくことでよく育ってくれるでしょう。
ラベンダーは苗から育てるのが一般的?
ラベンダーは種まきから育てることもできますが、発芽日数が1ヶ月と長く、発芽率も高いわけではないため、苗から育てるのが一般的です。
初心者はラベンダーを苗から育てよう
スッキリで爽やかなよい香りが魅力のラベンダーは、芳香剤や料理など幅広く利用でき、比較的初心者でも育てやすいハーブです。ぜひこの記事を参考にラベンダーを育ててみてくださいね。
NHK Eテレ「趣味の園芸」講師・GreenSnapオフィシャルアンバサダー
2011年から2021年までNHK Eテレ「趣味の園芸」司会を務め、現在は講師として出演。NHK総合「あさイチ」のグリーン講師も務める。
園芸とフラワーデザイン両方の資格を持ち、両面から楽しさを伝える園芸デザイナー。
ガーデンの監修・制作、テレビ・イベント・講演会等多岐に渡り、植物の魅力を発信している。
公式HP:https://mikamimasashi.site/
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ラベンダーは蒸れやすくなる梅雨前に収穫を兼ねて、ばっさり2分の1ほど切って株元に風が通るようにしましょう。