【カモミールの育て方】種まき時期や地植えの注意点、花の季節は?
2024/11/7
カモミールの基本情報
科・属 | ジャーマンカモミール:キク科シカギク属 ローマンカモミール:キク科ローマンカミツレ |
タイプ | ジャーマンカモミール:一年草ハーブ ローマンカモミール:多年草ハーブ |
植える時期 | 3~4月、9~10月 |
開花時期 | 5~6月 |
置き場所 | 日当たりと風通しのいい場所 |
水やり | 地植えは不要。鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりする |
肥料 | 地植えはなくてもよい。鉢植えは開花期に緩効性化成肥料を少なめに与える |
収穫時期 | 屋外で越冬可能。水やりは控えめにし、肥料は与えない |
カモミールとは
Photo by みどりさん@GreenSnap
カモミールは春から初夏にかけて、りんごのような香りのかわいらしい白い花を咲かせるハーブです。
一年草のジャーマンカモミールは、クセのない味なので、花を収穫してハーブティーとして楽しまれています。多年草のローマンカモミールもティーにできますが、少し苦みがあるので、花と葉を収穫して入浴剤として楽しむとよいでしょう。
カモミールの育て方
日当たり
カモミールは日当たりと風通しのよい場所を好みます。
日当たりがいいと花つきがよくなりますが、夏は日差しが強すぎるため半日陰となる場所に移すといいでしょう。
用土
カモミールは水はけの良い土を好みます。市販のハーブ用培養土や園芸用培養土にパーライトや砂を混ぜ、水はけを良くしておきましょう。
種まき・植え付け
カモミールの植え付け適期は、3~4月です。ローマンカモミールは、9~10月にも植え付けることができます。種まきの適期も植え付け時期と同じです。
種は浅くまき、軽く土をかぶせる程度にしてください。発芽までの間、土が乾かないように注意しましょう。
なお、苗の植え付け時には、株間を15〜20cm程度あけると、成長したときに風通しが良くなります。
肥料・追肥
肥料は、基本的に必要ありません。しかし、鉢植えの場合は、開花期に緩効性化成肥料を少なめに与えるとよいです
水やり頻度
基本的には、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。
地植えの場合は自然にふる雨に任せることも多いですが、鉢植えは乾きやすいので注意しましょう。特に、夏は水切れしやすいため1日1回は様子を見ましょう。
病害虫
カモミールは比較的丈夫な植物ですが、湿気が多い環境では灰色カビ病やうどんこ病が発生することがあります。また、アブラムシなどの害虫もつきやすいため、見つけ次第対処しましょう。
収穫
カモミールが開花してから数日以内が収穫時期の目安です。花だけを摘み取り、乾燥させてハーブティーや入浴剤として利用できます。
開花期間が短いので、収穫を楽しみたい場合は適切なタイミングで収穫しましょう。ちなみに、花の中央が盛り上がってきたタイミングが香りが最も高く、食用には最適です。
植え替え
鉢植えのローマンカモミールは、年1回を目安に植え替えしましょう。植え替え時期は、春(3〜4月)または秋(9〜10月)が適期です。植え替えの際には、新しい用土に替え、古い根や傷んだ部分を取り除くといいです。
カモミールの花が終わったら?冬越しできるの?
ジャーマンカモミールは花が終わったら枯れてしまうので、冬越しは必要ありません。秋に種まきをした場合は土の中で越冬し、春に芽を出します。
ローマンカモミールは寒さにとても強く、寒冷地でも屋外に植えっぱなしで大丈夫です。雪の中でも、緑の葉をつけたまま越冬します。ローマンカモミールの葉が茂って、株の中の風通しが悪くなっていたら、晩秋に刈り込んでおくといいでしょう。冬も水やりは控えめにして、乾燥気味に管理します。
カモミールの育て方についてよくある質問
カモミールの種まき成功のコツとは?
カモミールの種まきのコツは以下の3つです。
気温15〜20℃のときに種をまけば1週間以内に発芽するので、失敗が少なく、おすすめです。
育苗ポットに種まきすると、苗も丈夫に育ちます。1つのポットに、5粒くらいまきます。発芽して葉が触れ合うくらいに育ったら、一番大きな芽を1本だけ残して間引きましょう。本葉が5枚くらいになったら定植できます。
カモミールの種は小さいので、深く埋めると発芽できなくなります。風に飛ばされない程度に、薄く土をかけましょう。カモミールはこぼれ種でも増えるので、種まきは簡単です。とくに、ジャーマンカモミールは種からでもよく育つので、試してみてくださいね。
カモミールの花の収穫方法は?
ハーブティーには花の部分を使います。花が咲いてから3日くらいたって、黄色い部分が盛り上がってきたら収穫のタイミングです。花を収穫してすぐに熱湯を注いでフレッシュハーブティーにすると、とてもいい香りを楽しめます。
たくさん収穫できたら冷凍するか、完全に乾燥させて乾燥剤を入れ、保存しておきましょう。花の裏にアブラムシがついていたら、テープや流水で取り除きます。
ローマンカモミールは、葉にも香りがあるので、刈り込みを兼ねて葉も一緒に収穫しましょう。
うまくカモミールが育たない原因は?
生命力の強いカモミールですが、うまく育たない場合は以下のことが原因かもしれません。
カモミールは乾燥気味の環境を好みます。葉が混み合っていたり、水はけの悪い土に植えていたり、水をやりすぎたりすると、蒸れてうまく育ちません。水をやりすぎないようにし、乾燥気味に育てましょう。ローマンカモミールは、葉が混み合ってきたら刈り込むと、よい状態を保てます。
カモミールには、アブラムシやハダニがつきやすいです。
アブラムシは、花の裏につきやすいのでこまめに確認し、見つけたらテープなどでくっつけて取るか、自然由来の殺虫剤を使用して対処しましょう。肥料の与えすぎもアブラムシが発生する原因の1つです。
ハダニは高温多湿の環境で発生します。ジャーマンカモミールはハダニが出てくる季節には花が終わるので、撤去しましょう。ローマンカモミールは花の後に地面近くで刈り込み、乾燥気味に育てることで防げます。
カモミールは太陽の光が大好きな植物です。日当たりが悪いとカモミールの花が咲かなくなってしまうので、必ず日当たりのいい場所で育てましょう。
カモミールを地植えするときは注意が必要
Photo by ricoさん@GreenSnap
生命力が強く、植えっぱなしでも育てられるカモミールは、初心者の方にもおすすめのハーブです。ただし、地植えだと思ったより増えすぎてしまったり、肥料を減らすなどの調整が必要になるので注意しましょう。
カモミールには、今回ご紹介したジャーマンカモミールやローマンカモミール以外にも、八重咲きのダブルフラワーカモミールやグランドカバーに使うノンフラワーカモミール、黄色い花が咲くダイヤーズカモミールなどがあります。興味のある方はぜひ購入して育ててみてください。
株式会社ポタジェガーデン 営業担当
ハーブ専門ポタジェガーデンに約10年仕事をさせてもらい、畑生産、苗生産、出荷から現在営業職を行っております。
現場で培った経験と知識を営業で更に深く掘り下げ、多くの方に伝えられる様に日々努めております。
お花をハーブティーにするのはちょっと抵抗が…という方もいらっしゃるかと思います。そんなときは、オーガンジーに収穫した花をたくさん入れて寝室に置くのもおすすめです。安眠効果とリラックス効果があると言われていますので、疲れた一日の最後にいかかでしょうか