イチジクの剪定時期は12〜2月!夏果・秋果別の剪定方法や植え付け後の誘引方法とは?
2024/2/14
イチジクの剪定は収穫するために毎年欠かせない作業です。しかし、初心者だとどの枝をどのくらい切っていいのかわからず、放置してしまいがちですよね。
この記事では、イチジクの夏果・秋果・兼用種別に剪定方法を詳しくご紹介しています。植え付けてからの仕立て方についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
イチジクの剪定時期は?
Photo by ⭕️バ さん@GreenSnap
イチジクの剪定時期は、おもに休眠期の12月から2月末にかけての冬です。この時期はイチジクが休眠中なので、剪定によるストレスを最小限に抑えられます。
また、葉が落ちて樹形がわかりやすくなるので、剪定する枝を選びやすくなるというメリットもありますよ。
ただし、植えてから3年以内の幼苗の場合は例外もあるので、詳しくは後述します。
イチジクを剪定する前に知っておきたい樹形パターン!
イチジクの樹形には、 杯状仕立て 一文字仕立て の2通りの樹形パターンがあります。どちらが簡単・難しいというわけではなく、メリットデメリットがあるので、環境や植える場所に合わせて選びましょう。
杯状仕立て
杯状仕立ては、樹の中心部を空け、ワイングラスのように外側に向かって枝を広げる樹形のことです。蓬莱柿などの秋果はこの樹形がおすすめです。
この樹形のメリットは、中心部に光と風が通りやすくなることで、果実の均一な成熟を促し、病害虫のリスクを低減できる点にあります。デメリットとしては、枝を広げすぎると、外側の枝が重みで垂れ下がりやすくなり、支柱などで支える必要が出てくる場合があります。
一文字仕立て
一文字仕立てとは、樹の主幹を一定の高さでカットし、その後Tの字になるよう左右に枝を伸ばしていく樹形のことです。 ドーフィンなどのゆっくり成長していく品種はこの樹形がおすすめです。
この樹形のメリットは、横に広いスペースを有効利用できること。壁沿いなど限られたスペースにも適していますよ。デメリットとしては、枝が左右に広がるため、樹全体のバランスを取る剪定が定期的に必要になり、少し手間がかかります。
植え付け後3年以内のイチジクの剪定
イチジクの剪定は充実した株であれば毎年冬にやるべきですが、植え付けてから3年以内の幼苗の場合は、樹形の方針を決めるための仕立て剪定や誘引が必要です。
樹形によって手入れが違うので詳しくご紹介します。
杯状仕立ての樹形づくり
- 1年目:12〜3月に、太い枝4本を残して他の枝を切る。残した枝は40cm前後になるよう外芽の上で切り、四方に広がるように紐で地面や鉢に引する。
- 2年目:12〜3月に、残した4本の枝の枝先2〜3cmを剪定する。
- 3年目:12〜3月に、枝を30本残して、それ以上の混み合った枝を根本から間引く。
一文字仕立ての樹形づくり
- 1年目:5月に、左右逆方向に伸びている2本の枝を残し、それ以外は根本から切る。
- 2年目:12〜2月に、残した2本の枝が左右に広がるよう横に誘引し、枝が緑色になっている部分から先は剪定する。
- 2年目:同年6〜7月に、2本の枝から分岐して上に伸びた枝同士の間隔が30cmほどになるよう、芽を1つ残しながら、間引くように根本を切る。
4年目以降のイチジクの剪定のやり方!
植えてから3年たってイチジクの樹形が定ったら、いよいよ収穫にむけて毎年冬に剪定をしていきましょう。
夏果、秋果、夏秋兼用品種で、枝の切る位置が異なるので、それぞれ詳しくご紹介します。
夏果の剪定
夏果専用のイチジクは、前年に成長した枝(二年枝)に果実をつけます。そのため、剪定するときは枝一本あたり5〜8個の芽を残し、それ以上先の枝を剪定し、それ以上先の枝は切り落としましょう。残した芽が果実になって夏に収穫できるようになります。
さらに、交差するように混み合って伸びる枝や、地面に向かって下に伸びるような不要な枝は分岐の根本から剪定して間引いておくといいです。
秋果の剪定
秋果専用種のイチジクは、次の春に伸びる新しい枝(一年枝)に果実をつけます。そのため、茶色い二年枝についた芽を2〜3個残し、それ以上先の枝を剪定し、それ以上先の枝は切り落としましょう。春になると切り口から緑色の新梢が伸びてそこに果実がつきます。
さらに枝が過密になりすぎないように無駄な枝を間引くように剪定し、残した枝全体に十分な日光が当たるようなイメージで剪定します。とくに、内側に向かって成長する枝や、弱々しい枝、病気の兆候が見られる枝は積極的に剪定しましょう。
夏秋兼用果の剪定
夏秋兼用果種のイチジクの場合、夏果は茶色い二年枝に、秋果は緑色の一年枝に果実をつけるので、両方の剪定の仕方を併用するイメージで剪定していきます。夏も秋もよくばって豊作を狙うと品質も落ちるため、できれば秋果をメインの収穫として剪定のバランスをとっていきましょう。
夏果を実らせる剪定として、緑色の一年枝の半数ほどは剪定せずに残します。 残り半数は枝の長さによって剪定位置を変えてください。
- 60cm以上伸びているもの:2〜3個の花芽を残して切る
- 30〜50cm伸びた枝:枝の半分のところで切る
- 30cm以下の枝:切らずにそのまま残す
一文字仕立ての新しい剪定方法!リフレッシュ剪定
リフレッシュ剪定とは最近確率された新しい剪定方法で、とくに一文字仕立てのイチジクに対し行う剪定方法です。毎年繰り返していくと、常に3年以内の若い枝だけになるので、果実が大きくなったり成長も早まるといったメリットがあります。
一文字仕立ての場合、最初に仕立てた2本の主枝から、果実がみのる結果枝が伸び上がっていきます。従来であれば、これを何年も繰り返しくため、主枝を切ることはありませんでした。
一方、リフレッシュ剪定では主幹に近い両サイドの結果枝2本と、中心から数えて4本目の結果枝を両サイド残し、それ以外の結果枝と先についた主枝を剪定していきます。
つまり、レーキ(砂地をならす道具)のような形だったものを、4刃のフォークにするイメージです。
残した結果枝は、春になったら水平に曲げて誘引してこれを主枝とし、初夏には新たな結果枝が伸びていくので、夏秋に収穫ができるようになります。
イチジクの剪定に挑戦して、収穫を目指そう!
イチジクは剪定しだいで収穫量や味が決まってきます。やり方さえ覚えてしまえば難しいことはないので、しっかりと事前知識を頭にいれて剪定に挑戦してみましょう!