【ナスの害虫一覧】予防や対処法を合わせて解説
2024/6/19
ナスは家庭菜園でも育てやすく人気の野菜です。しかし、ナスを栽培するうえで害虫の対策は避けて通れません。ここでは、ナス栽培で注意すべき主な害虫の特徴と被害、そして対処法を詳しく解説します。
ナス栽培で注意すべき害虫

Photo by h2r5さん@GreenSnap
アブラムシ
発生時期:4〜11月
特徴と被害
アブラムシは体長2mmほどの小さな虫で、ナスの葉裏や新芽、つぼみに群がって吸汁します。吸汁された葉は萎縮し、ひどい場合は枯れてしまいます。さらに、すす病やモザイク病の原因にもなります。
対処法
発生初期であれば葉裏を中心に水で洗い流したり、歯ブラシなどでこすり取って駆除します。大量に発生している場合は、薬剤を使って駆除しましょう。
アザミウマ
発生時期:5〜10月
特徴と被害
アザミウマは体長0.5〜2mmほどで細長い体型の虫で、ナスの花のなかや葉の付け根を好み、果実もを吸汁します。吸汁された葉は白っぽくなり、花は花弁が変色したり、つぼみが開花しなかったりします。
対処法
薬剤を散布して駆除するのが効果的です。また、アザミウマは青色や黄色に集まる習性があるので、青や黄色の粘着板で集めて駆除することもできます。
ハモグリバエ
発生時期:5〜10月
特徴と被害
ハモグリバエは葉に産卵し、生まれた幼虫が葉に潜り込んで食害します。被害を受けた葉には白い筋状の食痕が残り、1週間ほどで蛹になります。
対処法
発生初期は葉を摘み取って処分します。大量に発生していたら殺虫剤を散布しましょう。
ハダニ
発生時期:6〜9月
特徴と被害
ハダニは体長0.5〜1mmほどで、葉の裏側で吸汁し、葉が黄変したりしおれたりします。乾燥した環境を好むため、梅雨明けや9月頃とくに発生しやすいです。また、すす病の原因にもなります。
対処法
ハダニは水に弱い性質があるので、葉水をすることで繁殖を防げます。また、手でこすり取ったり、セロハンテープなどで貼り付けて駆除できます。大量に発生している場合は、寄生されている葉を切って処分するか、薬剤で駆除してください。
ヨトウムシ
発生時期:7〜10月
特徴と被害
ヨトウムシの幼虫は葉を食害し、大きな穴をあけます。成長すると果実にも穴をあけ、最悪の場合は収穫皆無になることもあります。老齢幼虫になると、昼間は葉の裏や土の中に隠れているため見つけにくいです。
対処法
幼虫を見つけ次第、つぶすか捕殺します。被害が広がってきたら、ヨトウムシ用の殺虫剤を散布しましょう。ただし、薬剤の使用は食用部分に直接かからないよう注意が必要です。
タバコガ
発生時期:6〜10月
特徴と被害
タバコガは葉裏に卵を産み付け、生まれた幼虫が葉や茎、果実を食害し、円形に穴をあけることもあります。幼虫は10〜40mmほどの淡緑色〜褐色で、大きくなると茎の中に侵入するため駆除が困難になります。真夏の8〜9月にとくに発生しやすいです。
対処法
若い幼虫のうちに捕殺しましょう。また、大きくなると薬剤が効きづらくなるので、早めに殺虫剤の散布も検討しましょう。
コナジラミ
発生時期:6〜10月
特徴と被害
コナジラミは体長2mmほどで成虫は白いはねをもち、幼虫は黄色や緑色です。成虫と幼虫ともに葉で吸汁し、やがて株全体を弱らせます。
対処法
黄色の粘着板を設置したり、牛乳1:水:1を混ぜた液体を吹きかけることで、窒息させ駆除することができます。成虫には、薬剤を散布して駆除するのが効果的です。
カメムシ
発生時期:7〜10月
特徴と被害
カメムシは成虫と幼虫ともに、葉を吸汁しナスの生育を阻害します。
対処法
殺虫剤で駆除するほか、防虫ネットで飛来しないようにします。
ナスの害虫を予防する方法
ナスの害虫の予防には、防虫ネットが効果的です。防虫ネットを早い段階からかけておけば、飛来した成虫が卵を産み付けるのを防げます。また、網目が0.4mm以下のものであれば、アザミウマやハダニなど極小の害虫も防げます。
防虫ネットのほかに、マルチングをして土壌や雑草から発生する害虫を防ぐことができ、パセリなどのコンパニオンプランツを周囲に植えるのもよいでしょう。
ナスの害虫を知って予防しよう!
ナスには多くの害虫がよってきて、葉や茎を吸汁したり、果実を食べて穴を開けるなど、生育を 阻害します。害虫の特徴や被害の様子を覚えて、早期発見、駆除できるようになりましょう。今回の記事を参考に、ナスの害虫被害を最小限に抑えて、おいしいナスをたくさん収穫してくださいね。