椿につく毛虫の毒に注意!駆除や予防方法を徹底解説
2024/5/16
ツバキ類の庭木や生垣には要注意!
新葉が美しい春と秋の季節ですが、この時期の椿やサザンカ、チャイノキといった庭木や生垣に近寄る際は注意が必要です。初夏や初秋はチャドクガの幼虫の発生シーズンで、椿の葉を食害する害虫として知られています。そしてこのチャドクガの幼虫は、食害するだけでなく、毒があるためとても危険なのです。
チャドクガとは?

Photo by phiXさん@GreenSnap
チャドクガは、茶色でふわふわの毛に覆われている毒蛾の一種です。幼虫は黄色に黒色の斑点が特徴の毛虫で、目にみえる体毛とは別に、0.1mmほどの毒針毛を持っています。また、幼虫のみならず、卵から幼虫、サナギ、成虫までの全て形態において毒針毛をまとっています。
この毒針毛に触れると、直後にかゆみや痛みを伴って赤く腫れ、1〜2日後にはより症状が強くなり、2〜3週間続きます。誤って直接触れてしまうほかに、風や衝撃で飛ばされた毒針毛が皮膚や衣服に付着することもあります。
チャドクガの駆除と予防方法
チャドクガの幼虫の発生シーズンは、5〜6月と8〜9月の年2回です。チャドクガは、椿などの葉裏に卵塊を産み付け、孵化したあとは葉裏に固まっていますが、しばらくすると分散し、数週間後成熟すると地中でサナギになります。
卵塊のときや孵化してすぐは葉裏に固まっているため、駆除にはうってつけのタイミングです。
駆除方法
チャドクガは、10〜5月や7〜8月頃の卵塊のときに駆除できるのが最善ですが、ちいさく見つけるのは困難です。そこで幼虫の発生初期に葉裏で群れているところをまとめて駆除するのがよいでしょう。
葉裏をよく観察し、見つけたら、葉ごと剪定して、ポリ袋などで密閉して処分してください。このとき毒針毛に触れないよう、使い捨ての手袋や雨具などを着用して作業するとよいです。
このほか、市販のスミチオンやマラソン、スプレー式殺虫剤を用いて駆除するのも効果的です。
予防方法
チャドクガを予防するためには、剪定をして風通しをよくしておきましょう。剪定をすることで、込み合った部分もなくなり、幼虫や卵塊の早期発見にも繋がります。
チャドクガに触れてしまったら
もしチャドクガの毒針毛に触れてしまったら、決してこすらずに、粘着テープを使って皮膚についた毒針毛を取り除きます。次に、水でよく洗い流し、衣服に付着している可能性もあるので着替えましょう。
かゆみや強い痛み、発疹がある場合は皮膚科を受診してください。
また、衣服についた毒針毛は洗濯ではとれないことが多いので、掃除機で吸い取ったり、スチームアイロンで熱を加えるとよいです。アイロンするのは、毒針毛がタンパク質で構成されており、熱で変質するためです。
初夏と初秋はチャドクガに注意を!
初夏と初秋は、チャドクガの幼虫が発生し、活発になる時期です。チャドクガに対する知識を持ち、適切に対処することで、安心して庭木を楽しむことができますよ。この時期に椿やサザンカ、チャイノキといった庭木の手入れをする際は、注意してくださいね。